Wednesday, July 23, 2014

AZとアルクマールとの揉め事

新しいトレーニング・コンプレックス、アルクマールに作るって言ってたのにザーンダムにしたんだね、みたいな呑気なことを以前書きましたが、裁判になってたようで、慌てて経緯をみてみたの巻。

Training 300614 151221 0632








おおよその流れ:
2011年
AZとアルクマールとが、アルクマールの西端に新しいトレーニング・コンプレックス(以下トレコン)を作ることで合意

(話がなかなか進まず、AZさんイライラ)

2014年1月
ザーンスタッドから「うちに作る?」とオファー

2014年3月
ザーンスタッドとAZが基本合意

2014年5月
ザーンスタッドにトレコン作るよ! の公式発表。

2014年6〜7月
アルクマールに訴えられて裁判

2014年8月
判決



最初に:
いくつか地名が出てきます。片仮名で書いたりアルファベットで書いたりしてますが、そのへんは私の語学力を汲んでください。Wijdewormerは心の中では「ワイドウォーマー」となんちゃって英語風に読んでるけど、アプリで発音聞くと「ヴァイデヴォルマァ」くらいに聞こえるし、Google Mapの日本語表記は「ワイデウォルメル」だし、どうしていいか分からないよパトラッシュ。


そもそも、ザーンダムとザーンストレークとザーンスタッドの違いがよく分からなかったんで調べました。

ザーンスタッド(Zaanstad)は基礎自治体(Gemeente; ヘメーンテ)です。アルクマールと一緒。日本風に書くとザーンスタッド市/アルクマール市って感じ。で、ザーンスタッドの東端のエリアがサーンダム(Zaandam)。日本風に書くとザーンダム町。じゃあザーンストレーク(Zannstreek)は何かというと、ザーンダムを南北に走るザーン川(……川って言っていいかは分かりませんが。運河?)沿いの地域を指すようです。


ところが、最初の混乱の元はですね、WijdewormerはGoogle Mapで見るとザーンスタッドの外で、ヘメーンテはWormerlandなんですよ……どういうことなの……
Sportpark Kalverhoekは、Wijdewormerの南西端、ザーンダムとの境にあります。
ということなので、「地図的にはSportpark KalverhoekはWijdewormerだけど、ザーンスタッド(ザーンダム)さん的には俺の土地」という認識で以下進めようとしたところ、Wormerlandもちゃんと話に加わっていたらしいことが分かりましたので、これは忘れてください。


あともう1つ、裁判関係の用語は日本語ですら正しいのが分からないのに、オランダ語を英語に機械翻訳+辞書で逐語訳したのを読むので、もう全然分かりません。突っ込まないでください。



というわけで:
De telegraafの記事でAZのトレコンの話に触れてるのを大急ぎで掘り返して読んでみた。あとAZ公式もいくつか読んでみた。



拾ったなかで一番早かったのは2009/02/17の記事。
Nieuw trainingscomplex AZ aan westrand Alkmaar | De Telegraaf

この時点で、もうアルクマール西端が第一候補なんですね。アルクマールでの予備調査をしていて、数週間のうちに終わります、ということだと思う。でもまだ他のオプションも探している風です。


で、次が2011/10/26の記事。
AZ huurt trainingscomplex van gemeente | De Telegraaf

プレカンもやってるらしいし、これが2011年のアルクマールとの合意の記事でしょうかね。
2013年初めに工事を始めて、2014年夏にはピッチ7面ができることになってる。AFC '34用に3面と、RUFC(ラグビーチーム)用のフィールドも併設されるはずだったんだな。費用は、€1.8mが土地、€2.6mが建設で、合計で約€4.5mとなってます。
AZが払う年間使用料が「3.5トン」になってるんだけど、トンって何の単位よ……?


2014/7/25 追記:
単位がトンてチーズででも払うのかよ、と内心突っ込んでいたのですが
Twitterで@jongewoudさんに教えてもらいました。10万の単位なんだそうです。なので€35万/yrですね。高いのか安いのか。相場が分かりません。






AZが新トレコンが欲しい理由として、スタジアムの横のピッチはトップチームが使うこと、ユースが(今も)練習に使ってるる't Loodの練習場は、昼間に使いたくても難しいことが多いから、とあります。't Loodは近くていいけどね。確かにせまいよね。


それで約1年後の2012/09/14の記事。
Nieuw trainingscomplex AZ krijgt vorm | AZ

アルクマール・AZ・AFC '34・RUFCでの仮合意した、当初予定のトレコンの面配置から変わります、という話。AZユースが使える面が減ったようで、AZの思い描いてたのとは少し変わってきたのかな。


2013年の記事もあったと思ったのだけど、次は飛んで2014/01/25の記事。
AZ wil trainingscomplex in Zaanstreek | De Telegraaf

ここでザーンスタッドが出てくるんですね。
ザースタッドとWoormerlandからのオファーを受け取り、予備調査を始めるという内容。
「今のトレーニング場はプロクラブのものとしてはもう似わないし、ユース選手の育成はAZの血液ともいえるので、どうしても新しいトレコンが必要です」というスチュアートさんのコメント。


2か月後の2014/03/24付、予備調査(実現可能性の検討)が終わって話が進みますよ、というDe Zaan Onlineの記事 Haalbaarheidsonderzoek trainingscomplex AZ in Zaanstreek afgerond | De Zaan Online

これだと、ちゃんとAZ・ザーンスタッド・Wormerlandの三者になってるね。Sportpark KalverhoekはA7沿いにあって交通の便がよいこと、駐車場も含む十分な広さがあること、既にスポーツ施設があること、が決め手のようです。

それにAZの成り立ちからしても、ザーンダムにトレコンを作るのは良いこと、と。AZはAlkmaar '54とFC Zaanstreekが合併してAZ '67になり、その後'67がとれてAZになったんですもんね。

この記事だと、2013年9月くらいからAZとザーンスタッドとの話が始まってるようです。スチュアートさんのコメントとして、「話がちゃちゃっと進んで嬉しいです。デッドラインの3/31にも間に合うので、これから内部手続きをして、5月半ばには最終決定できると思います」とある。


というスチュアートさんの言葉通に、2014/05/18に発表記事。
AZ verplaatst trainingscomplex naar Zaandam | De Telegraaf

AZが「新トレコンをザーンスタッドに作ります」と発表した。アルクマールから約30km離れたWijdewormerに新トレコンを作り、15-16シーズンからユース、その後トップチームもそっちでトレをすることに。

AZ公式コメントは、「AZは長い間アルクマールと話し合いを続けてきたが、近いうちに建設にとりかかれる確証が得られない。ユース年代の選手を育成してトップに引き上げるという流れは、AZの核となるもの。これ以上の遅れは、AZの発展(とザーンストレークとの歴史的結びつき)を著しく阻害する」とかなんとか。


それで話がどーんと大きくなって、6月の記事3つ。
まず2014/06/03の、アルクマールがAZを訴えます、と伝える記事。
Alkmaar sleept AZ voor de rechter | De Telegraaf

2011年の合意後トレコンができる気配がなく、2014年夏にはトレコン建設を始めたかったのに、始められるかも分からないこともあり、ザーンスタッド移転を決めたと。アルクマールとしては、「そんなん聞いとらんわ! 」ということになり、法的措置を検討。

ヘルブランツさんによれば、「アルクマールとの合意はあくまで合意で、契約は交わしていないんで」と。


翌日2014/06/04の記事にはもうちょっとコメントが。
Rechtszaak tegen AZ wereldprimeur | De Telegraaf

アルクマールはAZのトレコンをアルクマールに置いておきたい。ザーンスタッドへの移転ヘは避けたい、という話。

ヘルブランツさんのコメントでは、
・2週間ほど、アルクマールからは何も言われてない
・仲裁人が入る(?)
・アルクマールが何をしたいのかよく分からない
・1週間前に法的アドバイスを受けたが、AZが負ける可能性はかなり少ない
・「2軒の家を検討していて、1軒に決めたからといって、もう1軒から訴訟を起こされるのはおかしいですよね?」
・裁判になるなら、弁護士と新ダイレクターのEenhoornさんに引き継ぐ


で、結局裁判突入。2014/06/10の記事。
Stadiondeal onrechtmatig | De Telegraaf

裁判所から「アルクマールから訴えが起こされたんで裁判するで」と召喚状が届いたので、AZとザーンスタッドは合意したものの、ペンディングに。


それで昨日、2014/07/22の記事。
Nieuwe gesprekken AZ en Alkmaar zinloos | De Telegraaf

AZの代理人弁護士Evert Hoekstraさんのコメントでは、「AZは選択の自由があり、それを行使しただけ。アルクマールも合意したはず。事実、ザーンスタッドと話し合いをしてきたが、アルクマールが異議を唱えることはなかった。アルクマールとの合意があるからといって、他と交渉してはいけないわけではないでしょうよ」とか。

また、AZの代理人弁護士さんによれば、
・アルクマールは新トレコンの緊急性も重要性も分かってない
・別にAZがアルクマールのクラブじゃなくなるというわけではない
・大急ぎでトレコンが必要だって何度も言ったのに話が進まないのでザーンスタッドにしただけ

逆にアルクマール側のPeter Nabbenさんによれば、
・クラブのフロントは何度も話し合いに来たはず
・トレコンの計画が遅れたのはクラブ側の問題
・アルクマールとの合意があることは事実

判決は8/5だそうです。どうなるかな。




子供っぽい言い方でアレですが、チームの選手たちが仲良しで、監督やコーチたちとも仲良しで、クラブも地元に愛されて、という、ほのぼの3拍子できゃっきゃしてるがとにかく好きなので、これが片付いた後、アルクマールとAZの間にわだかまりが残らないといいと思います。

そういえば、他のクラブはどんな感じなんでしょうね。
スタジアムとトレーニング場が30kmとか離れてるのなんてザラなんでしょうか。気にしたことなかったなあ。


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